みなさまこんにちは。
島ぐらしコンシェルジュのフルヤです。
この三月末を持ちまして、任期満了に伴い島ぐらしコンシェルジュ・地域おこし協力隊を卒業いたします。
一年間という短い間でしたが、島のみなさまには大変お世話になりました。
「たった一年で島を分かった気になるな!」というお叱りをいただきそうな気もしますが、ヨソモノだからこそ感じる島の魅力や、島の日常がまだ「当たり前」になっていない一年だからこそ気付ける良さがあり、それは本物ではないかと思いますので、ここに少し書かせていただきたいと思います。
この一年で、私が心から「久米島の一番の魅力だ」と感じたのは「ひと」です。
「きれいな海や自然がある」「気候があたたかい」「那覇から飛行機で30分と結構近い」などの環境面の条件的な部分ももちろん魅力的なのですが、やっぱり移住すると「暮らし」が中心になります。日々の「暮らし」の中には職場はもちろん、買い物する時のお店の人との会話・普段の友だち関係など、人間関係が必ず関わってきます。
島の人間関係はやはり都会より濃く感じます。以前あるマンションでの「挨拶禁止」というニュースが巷で話題になりましたが、こちらでは想像できないなぁと思いました。
スーパーでも、飲食店でも、店員さんがすぐ覚えてくれるので会計しながら子育ての話をしたり、個人商店だったらお店の人がこどもと遊んでくれたり。道を歩いていると、おじいちゃんおばあちゃんが「かわいいねー」と頭をなでてくれたり、「この先足が引っかかりそうなとこがあるから気をつけてよ!」と教えてくれたり。
なんだか、「店の人とお客さん」とか「ただ道ですれ違うだけの知らない人・関係ない人」としてではなくて、「私とあなた」で話ができるような感覚があって、東京から来た私にはそれがとても嬉しく感じました。「生きた会話ができる」ような感覚というか…
島が狭い分、いつなんどきでも知り合いに遭遇する可能性が高く、それが落ち着かないとか、やはり話が広まりやすいところはあるので、それが耐えられないという人にはあまり向いてないかなと正直なところ思いますが…
仕事で関わった方も、そうでない方も、島のことを教えくださったり、野菜や魚のお裾分けをくださったり、頑張ってるねと声をかけてくださったり…外から来て右も左も分からない私を、みなさんあたたかく助けてくださいました。久米島はコミュニケーションを大切に暮らしていける島だと思います。私にとっては、それが最大の魅力でした。
また、ちょっと難しい話になりますが、今久米島では「第二次久米島町総合計画」という10年間のまちづくり計画の元、住民と行政が一緒になってよりよい久米島を目指して活動していこうとしています。住民が主体となってまちづくりに関わる「久米島 ドリー部チャレンジ!」というプロジェクトも生まれました。ここに関わる住民のみなさんは、島の出身者だったり、島嫁だったり、移住者だったりしますが、みんなが「しまんちゅ」としてよりよい島のための想いや行動力を持っています。
今久米島では、島のひとたちがつながり、ひとつになって久米島の次の10年をつくっていこうという動きがはじまっています。熱い想いや面白いアイディアを、どんどん行動に移していくひとたちが、島にたくさんいること。そしてその流れの中に、移住者であっても、島を敬い、貢献したい想いがあれば関わることのできる「関わりしろ」がある、自分が住む土地のために自分が役に立てる余白があることも、久米島の大きな魅力ではないでしょうか。
島で暮らしたこの一年でつながったご縁はこれからも続いていくと思っています。
私は一度島を離れてしまいますが、折に触れて子どもと一緒に戻って来たり、次の土地で久米島の良さをまわりに熱く語ったり(笑)、私なりの形で島とつながっていきたい、応援していきたいと思っています。
東京生まれ・東京育ちの私ですが、「第二の故郷だと思って」と島の方に言っていただけたことがとても嬉しかったです。
島ぐらしコンシェルジュは卒業しますが、また別の形でみなさまにお会いできるのを楽しみにしております。
一年間、本当にありがとうございました。
久米島 島ぐらしコンシェルジュ フルヤ